イントラジェン(=GFR) はサーマクールの後発品
2013年3月 イントラジェン(IntraGen)という新しい機械が出ました。
“新世代サーマクール” ではなく、
“サーマクールの後発品” です。
サーマクールは熱をかけて効果を出す治療ですが、その機能をそのままコピーした器械がイントラジェンです。
サーマクールからいくつかの機能を削ることで、器械本体と消耗品のコストを大幅に下げ、サーマクールの市場に参入しようとしています。

参考;GFR研究会(イントラジェン公式サイト)

チップはほぼ同じ。

サーマクールから削られた機能は
➀冷却機能と ②バイブレーション機能。
➀冷却機能は皮膚を冷やしながら照射することで、皮膚をヤケドさせずに深部に高い熱をかけることが出来るものでした。
②バイブレーション機能は、出力を上げると生じる痛みを振動して緩和する機能でした。
イントラジェンでは削られた2つの機能ですが、サーマクールはその機能のおかげで、マニュアルどうりに使えば誰が使ってもヤケドもせず、それなりの効果が出る治療となって世界的にブレイクしました。
しかしイントラジェンでは、経済性と引き換えに上記の機能が削られたことで
①皮膚がヤケドしてしまうのでサーマクールよりも熱をかけられない
②出力を上げるとサーマクールよりも痛い
器械となりました。

イントラジェンはサーマクールにはないGFRという特徴を前面に打ち出し、イントラジェン=GFRとして普及を図っています。
やけど予防&痛み軽減の機能がないイントラジェンは、そのままではサーマクールと比較された時に明らかに劣るため、熱の出方を変えました。
それがGFRと命名された新しい機能です。
チップから熱が出るときに、均一ではなく網目状に出るというものです。
網目状に出ることで、皮膚がやけどしにくく、痛みも出にいと謳っています。
加える熱を網目状にすると本当に熱さは軽減するでしょうか。
また、皮膚のやけど予防効果はあるでしょうか。
同じエネルギーをより狭い面積から皮膚に加えようとすると、エネルギーが集中して逆にヤケドのリスクは高まるような気もします。
GFRの有効性について、イントラジェンのメーカーは学術的なデーターを出していません。
そのため、客観的評価として、効果を上げるためのシステムであるといえません。
患者さんに最終的に責任を持つのはわれわれ医療者側であり、器械のメーカーではありません。
そして医師は祈祷師ではありませんから、常に根拠に基づいた治療と説明をしなければなりません。
イントラジェンのGFRは網目状に熱をかける機構

サーマクールは冷却ガスでやけど予防ができる

単純化されたサーマクールであるイントラジェンは欠点ばかりではありません。
誰が施術してもそれなりの効果を出せる汎用性はなくなりましたが、逆に施術者次第ではのサーマクールの効果が限界までに引き出せる治療となりました。
マニュアルがないイントラジェンで効果を決めるのは、施術者の経験と腕。
ショット数や出力、照射時間・・・・全て自由に設定できるようなったイントラジェンは、施術者の腕次第では、サーマクールを凌ぐ性能を引き出せると考えています。

使い方のマニュアルがまだない
イントラジェンは市場に出たばかりで、器械のメーカーでも有効な使い方を模索している最中です。
試験的に使用していた際に、サーマクールの実績からマニュアルの監修を打診されました。
マニュアルは、 『誰もが安全、かつ効果を出せる使い方』でなければいけません。
イントラジェンで効果を出すにはサーマクールよりも高度な経験と技術が必要なため、
効果の出るマニュアル作りは難しいとお断りしました。
メスは誰でも切れますが、きれいに切ることはマニュアルでは伝えられません。
今後マニュアルが作られるとしたら安全が最優先されるため、冷却機能がないイントラジェンのマニュアルは
サーマクールよりもマイルドな(効果の弱い)マニュアルとなるでしょう。
イントラジェンはサーマクールを超える!?
効果を落としてぼろもうけ・・・ではありません。
イントラジェンは使い方でサーマクールを凌ぐ可能性があるからです。
サーマクールはだれでもそれなりの効果が無難に出るようあらかじめ設定された器械です。
車で例えれば、サーマクールはオートマチックの高級車で、イントラジェンは安いマニュアル車です。しかしエンジンは一緒です。
普通は高級オートマ車のほうが快適に走れます。
ところがプロのドライバーが運転すると、エンジンが同じであればマニュアル車の方速く走れます。
オートマ車では余計な機能が足かせになり、車の性能を引き出せないからです。
設定も施術方法も自由なイントラジェンは完全なマニュアル治療です。
症例を重ね、経験豊富な施術者が器械の性能を引き出せるのです。
ショット数に注意!!・・・安物買いにならないために
クリニック選択の際は
サーマクールはチップが使い捨てのため、ショット数は400、600、900と決まっています。
一方、イントラジェンは1個のチップが4000ショットのため、ショット数を自由に設定できます。
ところが自由に設定できるということは必ずしも良いとはいえません。
サーマクールは最低400ショット保障されますが、イントラジェンはクリニックの思惑次第でショット数が決まってしまいます。
同じ 『顔全体』 でもショット数は様々で、100ショットしか照射しないところもあれば、600ショットするところもあるかも知れません。
そこで価格でクリニック選びをする際は、1ショットあたりの値段を比較することをおすすめします。
400ショットで考えたら、サーマクールをした方がお得だった・・・なんて事もありえます。
イントラジェンは何ショットを選べば良いのか?
ショット数はサーマクールを基準に考えてください。
サーマクールでは顔全体は400か600ショットが一般的。
イントラジェン1ショットはサーマクール1ショットより出力を上げることが出来ないため、(ヤケド予防の冷却機能がないため)イントラジェン400ショットはサーマクール400ショットの効果を出せません。
つまり、サーマクール400ショットと同じ効果を出そうとすると、同じ400ショット以上は必ず必要となります。
イントラジェンの一番のメリットである “経済的に効果を得る” ことを重視するのであれば、少ないショット数で範囲を限局して施術する必要があります。
『サーマクールと同じ効果を出すためにショット数を倍にしたら、サーマクールより高かった』
・・・だったら、無難なサーマクールをおすすめします。
サーマクール400ショット=
イントラジェン400ショット×3回?
メーカーはイントラジェンの施術間隔は 『3ヶ月に1回』 推奨しています。
これは、普通の施術では効果は3ヶ月しか持たないことを示唆しています。
サーマクール400ショットの効果を9ヶ月維持させるためにはイントラジェン400ショットを3回しなければなりません。
『サーマクールと同じ期間効果を出すために年に3回したらサーマクールより高かった』
・・・これまた無難にサーマクールをおすすめします。
効果が出る施術がどうか簡単な見分け方
効果はショット数だけでは決まりません。
イントラジェンを効果的に施術するには、痛みとヤケドのリスクを軽減しながら熱をかける必要があります。
そのためにサーマクールよりも 『ゆっくり、じっくり』 熱をかける必要があります。
イントラジェンの良いところは1ショットの照射時間も自由に設定できること。
1ショットをサーマクールより長く照射すれば、やけども痛みも抑えつつ、サーマクールと同じ熱を作用する事が出来ます。
サーマクールより少ないショット数、あっという間に終わる施術では、
『イントラジェン=サーマクールより安かろう悪かろう』
の評価が定着してしまいます。
イントラジェンを考えている方へのアドバイス
①サーマクールやウルセラのメンテナンスとして、サーマクールの半分程度のショット数を定期的に行う
②ウルセラなど、相乗効果が見込める他の施術と組み合わせる(部位を限局する)
③タイタンやテノールやリファームSTと同様に、短期間(1から3ヶ月ごと)に繰り返して行う
(サーマクールと同程度のショット数)
④美肌作用だけならショット数は少なくても良い
④タルミ引き締め効果を期待するならば、サーマクールと同じかそれ以上の時間をかけて施術してくれるクリニックを選ぶ。
(痛み、ヤケドのリスクを克服するには時間をかけて施術しなければいけない)
補足・・メーカー説明
イントラジェンの作用機序のメーカーによる説明です。
サーマクールと変わりませんサーマクールと同じ原理のため当然です。
しかし、説明ではわからない最も重要なポイントがあります。
“作用の強さ”です。
イントラジェンがサーマクールと比べて良いか悪いかは、熱の作用の強さにかかりますが、前述のように、器械の性能を引き出すには非常にテクニックが必要となります。
参考;GFR研究会(イントラジェン公式サイト)
施術料金(税抜き価格)
ショット数 | 通常料金 (税抜価格) |
|
200ショット | 60,000円 | |
400ショット | 80,000円 | |
600ショット | 100,000円 |
※ 再診の方は上記料金より 10,000円引きとなります。
※ ウルセラ、サーマクール、サーマクールアイ同時施術の場合、上記料金より 10,000円引きとなります。

Q&A
ダウンタイムは?
ありません。
サーマクールと同じです。(ショット数が多い場合、ごく稀に軽い腫れが当日出現することがあります。)
サーマクールとの効果の違いは?
サーマクールと同じ作用で弱い効果、と考えてください。
サーマクールよりも効果の発現が早く、その分持続期間が少し短くなるようです。
患者様によってはサーマクールより効果を出せると考えます。
サーマクールとイントラジェンをどのように使い分けたらよいですか?
①サーマクールよりもお得に治療をしたい方
②ウルセラ+サーマクール同時治療に興味があるが、価格的に迷っていた方
③ウルセラのメンテナンスとしてサーマクールにも興味があるが、価格的に迷っていた方
にイントラジェンをおすすめします。
※当院は完全予約制のたるみ治療専門クリニックです。
ご予約をお取り出来ない場合はご容赦ください。
サーマクール情報
当サーマクール専門クリニックは、皆様にサーマクール治療の理解を深めて頂くために、サーマクールに関する情報を可能な限り公開いたします。
サーマクールの価格設定について
サーマクールのチップとショット数について
サーマクールと合併症について
サーマクールの機械の音について
サーマクールと施術出力について
切らないたるみ治療の現状
サーマクールとウルセラの比較
サーマクールのマーキング~当院の考え~
サーマクールの副作用~美容的副作用~
サーマクールの持続期間と治療後の経過
サーマクールの効果を維持させるには~創傷治癒の基本~
効果が違う理由~打ち方の違い~
サーマクールの即時効果~速効性はあるか~
ウルセラサーマクールの効果~正しいたるみの理解
サーマクールで若返るコツ

サーマクールに唯一匹敵する効果と持続期間があるウルセラについての情報です。
ウルセラとサーマクールの作用の違い
ウルセラの効果について-効く?効かない?
ウルセラの治療後経過について
ウルセラ治療の痛さについて
ウルセラ治療のショット数と出力について
サーマクールとの併用治療について -ウルセラサーマ
ウルセラ治療について詳しく
ウルセラの治療間隔について -次の治療はいつが良いか?
“誰でも分かる”ウルセラとサーマクールの違い